糖尿病合併症の解説

腎症

<糖尿病性腎症>

腎臓は老廃物の一部を尿として排泄する臓器です。糸球体という部分で血液中の老廃物を濾過して尿を作り出します。

高血糖が持続すると、糸球体が障害を受け結果的に蛋白尿(尿中アルブミン)が出現します。
この状態が続くと、いよいよ腎臓の濾過機能の低下(血中クレアチニン値の上昇、eGFRの低下)が 出現します。




このように、高血糖が続けば最終的に腎不全、尿毒症という状態に陥り、生命を維持するためには腎代替療法(透析療法など)を導入しなければなりません。

早期に血糖コントロールを行う事で、腎症の進行を抑制することができます。また最近では腎臓の保護に働く薬剤もあり、病態に応じて必要な薬剤を選択することが重要となります。


●糖尿病性腎症の病期
 ▶ 第1期
  ☆ 正常(尿中アルブミン 30mg/日未満)

 ▶ 第2期
  ☆ 微量アルブミン(尿中アルブミン 30〜299mg/日)

 ▶ 第3期
  ☆ 顕性アルブミン(尿中アルブミン 300mg/日以上)
  ☆ 腎機能軽度〜中等度低下

 ▶ 第4期
  ☆ 腎機能高度低下(eGFR 30未満)

 ▶ 第5期(腎代替療法が必要)
  ☆ 腎機能高度低下(eGFR 15未満)

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